医療法人向け保険の種類や加入するメリット・デメリットを徹底解説!

医療法人向け保険の種類や加入するメリット・デメリットを徹底解説!

「医療法人が加入すべき法人保険とは?」
「生命保険に加入するメリットはある?」

と疑問をお持ちの医療法人の経営者がいるかもしれません。

医療法人は法人保険に加入することで、リスクに備えられるだけでなく、退職金の資金準備に役立たせることができます。

しかし、法人保険にはさまざまな種類があるため、医療法人にとって最適なものを見極めることが大切です。

今回の記事では、医療法人が加入できる法人保険の種類、医療法人が法人保険に加入するメリット・デメリットについて解説します。

目次

医療法人が加入できる法人保険の種類

法人保険とは、法人が契約する保険のことです。

以下の表で、医療法人が加入できる法人保険の主な種類をまとめました。

法人保険の種類 詳細
生命保険 ・逓増定期保険(ていぞうていきほけん)
・長期平準定期保険
・養老保険
・がん保険
・医療保険
・生活障害保障定期保険
・収入保障保険
損害保険 ・損害賠償の保険
・企業財産の保険
・事業運営の保険
・従業員に関連したリスクの保険

生命保険

生命保険とは、経営者や従業員の死亡や病気に備えるための保険です。

法人向けの生命保険は以下の7種類に大別できます。

逓増定期保険(ていぞうていきほけん)

逓増定期保険(ていぞうていきほけん)とは、保険期間が経過するにつれて保証額が徐々に増えていくタイプの保険です。

保証額が徐々に大きくなるため、法人の成長スピードを考慮した保障設計ができます。

また、解約返戻金のピークが早いため、短期的な財源やリスクへの備えに最適です。

ただ、逓増定期保険は保険料が高いため、加入後すぐの解約は大きな損失につながります。

長期平準定期保険

長期平準定期保険とは、通常よりも保険期間が長いことを特徴とする保険です。

満了日を90歳代後半〜100歳とする商品が多く見受けられます。

逓増定期保険とは異なり、保険期間の保証額は一定です。

そのため、資金計画が立てやすい点がメリットと言えるでしょう。

加えて、まとまった金額を備えられるため、借入金の返済や納税資金、死亡退職金、弔慰金などとして活用できます。

一方、解約返戻金がピークになるまでに時間がかかるため、加入後すぐの解約は損です。

また、満了日を迎えると解約返戻金・満期保険金を受け取れません。

養老保険

養老保険とは、死亡保障と貯蓄の両方に備えるための保険です。

被保険者に万が一のことがあった場合は保険金が支払われ、満了日に生存している場合には満期保険金が支払われます。

養老保険は退職金(死亡退職金)や弔慰金の原資として活用することが可能です。

しかし、福利厚生で養老保険に加入するには従業員全員が対象となり、保険料が高額になる傾向にあります。

がん保険

がん保険とは、がんになった際のリスクに備えるための保険です。

個人保険と比較すると、法人向けのがん保険は保障内容が充実しています。

解約返戻金のないタイプは一生涯のがん保障を受けられ、解約返戻金のあるタイプは役員退職金などに活用することが可能です。

しかし、解約返戻金のあるタイプは保険料が高額になりやすいため注意してください。

医療保険

医療保険とは、病気や怪我などの医療費負担をカバーするための保険です。

医療保険に加入することで福利厚生を充実させることができます。

しかし、解約返戻金ありの場合は保険金が高くなりやすいです。

生活障害保障定期保険

生活障害保障定期保険とは、経営者の万が一の時に加え、さまざまな生活障害状態に備えるための保険です。

あらゆるリスクに備えられるメリットはありますが、カバー領域が広いため保険金が高くなる傾向にあります。

収入保障保険

収入保障保険とは、被保険者の万が一の時に備えるための保険です。

保険金は一時金もしくは年金形式で支払われます。

年金形式を採用しているため、月々の返済など計画的に資金を活用できます。

ただし、加入時の保険金が高いだけでなく、解約返戻金・満期保険金はない点に注意が必要です。

損害保険

生命保険が「ヒト」を対象にしているのに対し、損害保険は「モノ」を対象とした保険のことです。

損害保険にはさまざまな種類があるため、以下で代表的な種類を確認しましょう。

損害賠償の保険

損害賠償の保険とは、損害を与えた相手への賠償責任に備えるための保険です。

例えば、自動車保険やPL保険、施設賠償責任保険、役員賠償責任保険などが挙げられます。

法人の業種や業態などによっても最適な保険が変わってきます。

企業財産の保険

企業財産の保険とは、法人が保有する建物や設備へのリスクに備えるための保険です。

具体例として以下が挙げられます。

  • 火災保険
  • 工事保険
  • 機械保険
  • 企業財産包括保険
  • 動産総合保険

事業運営の保険

事業運営の保険とは、事業を運営する際のリスクに備えるための保険です。

具体的には、取引信用保険や船舶、貨物、運送の保険などが挙げられるでしょう。

従業員に関連したリスクの保険

従業員に関連したリスクの保険とは、従業員を守るための保険です。

リスクに備えるだけでなく、福利厚生を充実させることができます。

例えば、労働災害総合保険や業務災害総合保険などの保険が挙げられます。

法人保険の種類については以下の記事で説明しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:法人保険とは?生命保険と損害保険のそれぞれの種類を紹介

医療法人が法人保険に加入するメリット

それでは、医療法人が法人保険に加入するメリットはあるのでしょうか?

以下でメリットについて詳しく解説します。

損金算入できる

損金算入とは、課税所得から差し引くことが可能な費用等のことです。

法人保険の保険料は、一部もしくは全部を損金算入できます。

ただし、2019年に損金算入ルールが見直され、厳格化されました。

法人保険を税金対策として活用する動きが目立っていたためです。

そのため、損金算入による税金対策の効果は、以前よりも少なくなっています。

とはいえ、法人保険に加入するメリットは多くあるので、以下で確認していきましょう。

さまざまなリスクに備えられる

医療法人が法人保険に加入することで、さまざまなリスクに備えられます。

事業を運営していく上で、リスクはつきものです。

例えば、死亡や病気・怪我、災害、事故などのあらゆるリスクが存在します。

法人保険に加入しておけば、万が一の時にまとまった資金を確保できるため、事業を安定的に運営していくことが可能になります。

経営者の万が一に備えられる

経営者の万が一に備えられる点も、医療法人が法人保険に加入するメリットのひとつです。

経営者に万が一のことが起きてしまうと、事業運営にも大きな影響を及ぼします。

例えば、仕入れ先から現金決済を要求されたり、金融機関から追加融資を受けられなくなったりするケースです。

そこで法人保険に加入しておけば、まとまった資金を確保できるようになります。

特に小規模な医療法人や新しく設立された医療法人は大きな影響を受けやすいので注意してください。

退職金を準備できる

退職金を準備するために法人保険に加入する医療法人も少なくありません。

退職金の準備に最適な保険の種類は、個人によって変わってきます。

対象者 保険の種類 理由
5〜10年後に退職する役員・経営者 逓増定期保険 解約返戻率のピークが早いため。
退職がまだ先の役員・経営者 長期平準定期保険 解約返戻率のピークが比較的遅く、長いため。
従業員 養老保険 死亡保険金もしくは満期保険金のいずれかを受け取れるため。

医療法人が生命保険に加入するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:医療法人は生命保険に加盟すべき?メリットや選び方を紹介

医療法人が保険に加入するデメリット

それでは、法人保険に加入するデメリットはあるのでしょうか?

ここでは、医療法人における法人保険のデメリットについて解説します。

名義変更プランが利用できない

名義変更プランとは、法人で契約した保険の名義を個人に変更するプランのことです。

以前までは低解約型逓増定期保険で、解約返戻金が低い段階で個人に名義を変更することで税金対策をする経営者が多く見られました。

しかし、2021年3月に名義プランが撤廃されたことから、現在は名義変更プランを利用することはできません。

キャッシュフローが悪化する可能性がある

法人保険への加入により、キャッシュフローが悪化する可能性がある点に留意が必要です。

当たり前のことですが、保険に加入すると毎月の保険料が発生します。

保険料の費用負担が大きいと、法人のキャッシュフローが悪化する恐れがあります。

法人保険に加入する際は、月々の保険料を踏まえた上で資金計画を徹底することが大切です。

解約返戻金が少なくなる可能性がある

法人保険への加入を検討している方は、解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなる可能性があることに留意しておきましょう。

例えば、貯蓄型の生命保険に加入すると解約返戻金を受け取れるものの、早期に解約してしまうと受け取れる解約返戻金が少なくなります。

記事まとめ:医療法人の保険についてのご相談は七福計画株式会社へお任せください

今回の記事では、医療法人が加入できる法人の種類をはじめ、法人保険のメリットとデメリットについて解説しました。

医療法人は法人保険に加入しておくことで、あらゆるリスクに備えられるだけでなく、退職金などまとまった資金を活用できるようになります。

しかし、法人保険の種類は数多く、加入目的や医療法人によって最適な商品は異なるため注意が必要です。

七福計画株式会社は専門家として、医療法人の保険に関する相談を受け付けています。

これまで3,000件以上をサポートしてきた実績もありますので、ぜひお問い合わせください。

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