医療法人は資産運用をしていいの?考え方やおすすめの資産運用を紹介
「医療法人の資産運用には制限が設けられている?」
「医療法人が効果的に資産形成するためにはどうすればいい?」
と疑問をお持ちの方はいませんか。
医療法人の資産運用に関する法的な規制はありません。
しかし、厚生労働省の「特定医療法人の定款例」により、医療法人の資産運用策が限定的なものになっていることが現状です。
今回の記事では、医療法人が資産運用をする際の注意点やおすすめの資産運用策を解説します。
資産運用に関する知識を身に付けて、効果的に資産を管理しましょう。
資産運用とは?
資産運用とは、現時点で保有している資産を効率的に増やしていくことです。
資産運用は大きく「預貯金」と「投資」の2種類に分けられます。
預貯金は「貯める」ことを目的としているのに対し、投資は「増やす」ことを目的としています。
それぞれの具体例は以下の通りです。
資産運用の種類 | 目的 | 具体例 |
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預貯金 | 貯める |
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投資 | 増やす |
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資産運用の種類とそれぞれのメリット・デメリット
資産運用の種類ごとにメリットとデメリットを確認していきましょう。
資産運用の種類 | メリット | デメリット |
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円預金 |
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外貨預金 |
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保険 |
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債券 |
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株式 |
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投資信託 |
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それぞれのメリットとデメリットについて、以下で詳しく解説します。
円預金
円預金とは、銀行に日本円を預け入れることです。
預金者に対して利子がつくので、資産運用のひとつと言えます。
一般的に円預金や「普通預金」と「定期預金」、「積立式定期預金」などの種類に分けられます。
それぞれの違いは以下の通りです。
預金の種類 | 概要 |
---|---|
普通預金 | いつでも引き出しが可能な預金 |
定期預金 | 一定期間は引き出しができないが、金利が高く設定されている預金 |
積立式定期預金 | 毎月一定額を積み立てて、目標額を目指す預金 |
銀行に預け入れることで資産を安全な環境下で管理できるものの、現在は超低金利の状態が続いており、大幅に資産を増やすことはできません。
外貨預金
外貨預金とは、日本円を外国の通貨に換えて預け入れる預金です。
利子も米ドルやユーロ、オーストラリアドルなどの外貨での受け取りになります。
日本円よりも金利が高く設定されているケースが多く、円安時には大きなリターンを獲得することが可能です。
しかし、預金保険制度が適用されないだけでなく、日本円に換える際に為替手数料がかかる点が懸念されます。
ハイリターンを期待できますが、一定のリスクがあるため注意することが必要です。
保険
保険は「将来起こり得るリスク(病気や事故など)に備えるための制度」ですが、資産運用としての側面も持ちます。
例えば、「終身保険」や「養老保険」、「学資保険」などの保険です。
毎月決まった金額を積み立てていきますが、契約時に決められたタイミングで満期保険金を受け取ることができます。
預金と同様、大幅に資産を増やすことはできませんが、所得控除など税制面での優遇を受けることが可能です。
債券
債券(さいけん)とは、国や地方公共団体、企業などが発行する有価証券です。
債券を購入すると上記の機関にお金を貸すことになるので、利子を受け取ることで資産形成を実現できます(償還日を迎えると額面金額は払い戻されます)。
株式や投資信託と比較すると安定性が高く、初心者も挑戦しやすい資産運用の手段です。
しかし、債務不履行になると利息や償還金を得られない可能性があるため注意が必要です。
株式
株式とは、企業が資金調達のために発行する有価証券です。
株式の購入者(株主)は、株式の取得価額よりも高い価格で売却することで、利益を得られます。
株式を活用するメリットは、配当金や株主優待を受け取れる点でしょう。
一方、債券よりも安定性が低いだけでなく、銘柄選定やタイミングの見極めが難しい点に注意が必要です。
投資信託
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めた資金を専門家が投資・運用する制度です。
専門家が代行してくれるため、専門的な知識が不足していても資産運用に挑戦できます。
少額からの積立も可能です。
しかし、元本は保証されておらず、損失が生じる可能性があります。
さらに、銘柄が多く、投資先の選定が難しいと言われています。
医療法人における資産運用の考え方
それでは、医療法人は上記で紹介したような方法で資産運用を行えるのでしょうか?
医療法人の有価証券運用に関しては、法的規制が定められていません。
ただし、厚生労働省における「医療法人運営管理指導要綱」には、以下のように記載されています。
(引用:厚生労働省「医療法人運営管理指導要綱」)
上記の「確実な有価証券」という部分をどのように解釈するかによって、資産運用の方向性が変わってきます。
基本的に国債や地方債程度の安全性や確実性がある有価証券に関しては認められています。
しかし、同要綱に「売買利益の獲得を目的とした株式保有は適当でないこと」と明記されている点にも注意が必要です。
定款違反とならないために、有価証券を購入するタイミングで都道府県の意見を確認することをおすすめします。
医療法人が資産運用をする際の注意ポイント
以下で、医療法人が資産運用をする際の注意点を紹介します。
定款に違反しない
医療法人が資産運用をする際は、定款に違反してないかを確認しましょう。
厚生労働省はモデル定款「医療法人運営管理指導要綱」を公表しています。
定款違反があった場合、管轄の都道府県から指導される可能性があるため注意が必要です。
資産管理の項目では、以下のような内容が記載されています(一部抜粋)。
- 基本財産と運用財産とは明確に区分管理されていること
- 法人の所有する不動産及び運営基金等重要な資産は基本財産として定款又は寄附行為に記載することが望ましいこと
- 不動産の所有権又は賃借権については登記がなされていること…
(引用:厚生労働省「医療法人運営管理指導要綱」)
運用方針や運用体制を整備する
有価証券を購入する際は、運用方針を明確にすることが大切です。
運用における判断基準や過程を示しておくことで、都道府県から指導を受けることがあってもスムーズに対応できます。
資金運用管理規程を作成し、運用方針をまとめておきましょう。
目的や運用される資産、運用対象、運用期間などの項目を記載します。
法人を統括する都道府県に確認する
上記で説明した通り「確実な有価証券」という文言の解釈には幅があるため、都道府県に定款違反にならないかを確認すると安心です。
医療法人を管轄している都道府県の意見を確認すると良いでしょう。
もしくは、資産運用に関する相談サービスを利用するのも一つの手段です。
七福計画株式会社は、資産運用に関する専門知識を有しています。
Zoomなどを使用した無料オンライン保険相談も実施しているので、公式サイトをご確認ください。
>>七福計画株式会社「七福計画 無料オンライン保険相談とは」
医療法人ができるおすすめの資産運用は?
厚生労働省の「医療法人運営管理指導要綱」の資産管理に関する記載内容をまとめると、
- 現金は銀行や信託会社に預け入れ・信託する
- 国公債か確実な有価証券に換える
となります。
上記を踏まえると、医療法人ができる資産運用としては以下のものが考えられるでしょう。
- 円の定期預金
- 日本国債
- 変額保険を通じた投資
保険を資産運用と捉えていない法人も多いですが、捉え方によっては資産運用となります。
変額保険の場合、契約者(医療法人)が支払う保険料の運用方法を保険会社に指示することが可能です。
例えば、株式、債券、REITなどのファンドが用意されており、自由に選択できます。
変額保険を通さずに株式を購入する行為はNGと見なされるケースが多いです。
ちなみに、アメリカの国債や米ドル建ての高格付け債券などは議論が分かれますので、都道府県に確認しましょう。
医療法人の保険に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
記事まとめ:資産運用についてのご相談は七福計画株式会社へお任せください
今回の記事では、資産運用を検討中の医師に向けて、医療法人における資産運用の考え方を解説しました。
医療法人の資産運用は、法的規制がないものの、定款で資産管理の方法が制限されています。
検討中の資産運用策が定款違反にならないか、不安な場合は管轄の都道府県に相談することが大切です。
20年以上の実績を誇り、累計相談件数は3,000に及ぶ七福計画株式会社も資産運用に関する相談を受け付けています。
資産運用のみならず、経営に関する幅広い知識・ノウハウを有しており、総合的にサポートすることも可能です。
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