医療法人は印紙税がかからない?自由診療の場合は?疑問を徹底解説!

医療法人は印紙税がかからない?自由診療の場合は?疑問を徹底解説!

医療法人やクリニックが日常的に作成する契約書や領収書には、印紙税の知識が不可欠です。

印紙税の仕組みを理解していないと、不要な税負担や税務調査のリスクが高まります。

本記事では、医療法人を中心に、印紙税の基礎から医療機関ごとの実務対応、よくある質問まで解説します。

印紙税の判断に迷った際の参考にしてください。

目次

印紙税とは?

印紙税は、契約書や領収書など特定の文書を作成した際に課される国税です。

印紙税法で定められた「課税文書」を作成した人が納税義務者となり、収入印紙を貼付して納税します。

文書の種類や記載金額によって税額は異なり、200円から数十万円まで幅があります。

主な課税文書には、売買契約書、請負契約書、領収書などが含まれます。

印紙税の納付を怠ると、過怠税(本来の税額の3倍)が課されるため、注意が必要です。

区分 内容
対象文書 契約書や賃貸借契約書、領収書など
納税義務者 文書作成者(法人の場合は法人自身)
納税方法 収入印紙貼付・割印
税額 文書の種類・金額で異なる(200円~数十万円)
罰則 未納時は過怠税(3倍)

参考:国税庁
参考:国税庁

印紙の要否について、医療機関の種類に応じて解説!

医療機関が作成する契約書や領収書の印紙税の要否は、経営形態や文書の内容によって大きく異なります。

判断を誤ると不要な税負担や過怠税のリスクが生じるため、各ケースごとに正確な理解が不可欠です。

ここでは、医療法人、個人経営、公益法人、薬局など医療機関の形態ごとに、印紙税の課税・非課税の基準を解説します。

医療法人の作成した契約書は2号文書または7号文書?印紙は必要?不要?

結論から述べると、医療法人が作成する契約書の多くは印紙税の課税対象外です。

医療法人は医療法により利益配当が禁じられており、印紙税法上「営業者」に該当しません。

特に7号文書(継続的取引の基本契約書)は営業者間の契約が対象ですが、医療法人は営業者でないため印紙税は不要です。

7号文書の要件は「営業者同士」「継続的な取引」「売買・請負などの契約」などを満たす必要があり、医療法人はこの「営業者」に該当しないため、基本契約書に4,000円の印紙を貼る必要はありません。

ただし、医療法人が作成する契約書であっても、医療行為以外の契約、たとえば医療機器の保守契約や建物の賃貸借契約などは、2号文書(請負契約書)や1号文書(不動産売買契約書)に該当し、印紙税が必要になる場合があります。

契約書の内容ごとに課税文書に該当するかを慎重に確認しましょう。

印紙税法の解釈や実務上の判断に迷う場合は、税理士など専門家に相談することが重要です。

参考:国税庁
参考:国税庁

自由診療の場合は?

自由診療に関する契約書や領収書も、医療法人が発行する場合は「営業に関しない」とされ、印紙税は不要です。

審美歯科や美容皮膚科などの自由診療も、医療法人の活動が利益分配を目的としないため、営業者とはみなされません。

したがって、保険診療・自由診療を問わず、医療法人が発行する領収書・契約書には印紙税は課されません。

個人経営の医療機関の場合は?

個人経営のクリニックや歯科医院が発行する契約書や領収書も、原則として印紙税は不要です。

これは印紙税法上、医師や歯科医師の業務が「営業」に該当しないとされているためです。

医師や歯科医師、薬剤師などがその業務上作成する受取書は「営業に関しない受取書」として取り扱われ、金額に関わらず印紙税は課されません。

ただし、医療行為以外の契約、たとえば医療機器のリース契約や不動産賃貸借契約などは、印紙税法上の課税文書に該当する場合があります。

これらの契約書では、2号文書(請負契約書)や1号文書(不動産売買契約書)として印紙税が必要となることがあるため、契約内容ごとに課税要件を確認してください。

自由診療の場合は収入印紙は必要?

個人経営の医療機関が発行する自由診療の領収書も「営業に関しない受取書」となり、印紙税は不要です。

自由診療であっても、医師や歯科医師の業務は営業に該当しないため、領収書の金額に関わらず収入印紙は必要ありません。

公益法人の作成する契約書は7号文書に該当し、印紙税を払わなければならない?

公益法人や社会福祉法人が作成する契約書も、印紙税法上「営業者」には該当しません。

そのため、7号文書(継続的取引の基本契約書)に該当しても印紙税は不要です。

公益法人が営業者とみなされるのは、利益分配が可能な場合のみですが、通常の公益法人や社会福祉法人は非課税扱いとなります。

医療法人と同様に、公益法人の多くの契約書には印紙税がかかりません。

薬局の領収書に印紙は必要?

薬局の印紙税の扱いは経営形態によって異なります。

個人経営の薬局では、薬剤師が発行する領収書は「営業に関しない受取書」となり、金額に関わらず印紙は不要です。

これは、薬剤師も医師と同様に、業務上作成する受取書が非課税扱いとなるためです。

一方、株式会社や有限会社など営利法人が運営する薬局の場合、5万円以上の領収書には印紙税が課されます。

発行主体が法人である場合は、薬剤師個人が発行していても印紙税の課税対象となるため、注意が必要です。

特に長期処方や高額な薬剤を扱う場合、5万円を超える領収書を発行するケースがあるため、法人経営の薬局では印紙税の貼付漏れに注意しましょう。

また、医療法人が運営する調剤薬局の場合は、医療法人が発行主体となるため、印紙税は不要です。

営利法人(株式会社など)が運営する薬局のみ、5万円以上の領収書で印紙税が必要となります。

よくある質問

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医療法人やクリニックの現場では、印紙税に関してさまざまな疑問が発生します。

ここでは、実務で頻繁に寄せられる質問について、具体的かつ分かりやすく回答します。

誤って収入印紙を貼ってしまった場合どうしたらいい?

印紙不要の文書に誤って収入印紙を貼ってしまった場合や、必要以上の金額の印紙を貼った場合は、所轄税務署で「印紙税過誤納確認申請書」を提出すれば還付を受けられます。

申請には、誤って貼った文書、印鑑、法人の場合は代表者印が必要です。

還付申請は、文書の原本を保持したまま、5年以内に行う必要があります。

申請手続きは税務署の窓口で行い、審査後に還付されます。

還付の対象となるのは、課税文書に必要以上の印紙を貼った場合や、課税文書でないものに印紙を貼った場合などです。

ただし、契約書作成後に契約が解除となった場合や、すでに交付された手形・領収書の場合は還付対象外となるため注意してください。

また、未使用の収入印紙や、白紙・封筒に貼り付けた収入印紙については、郵便局で交換が可能です。

ただし、1枚につき5円の交換手数料がかかります。

参考:国税庁
参考:国税庁

印紙が必要な場合はある?

医療法人や個人経営の医療機関が発行する領収書や医療行為に関する契約書は、原則として印紙税は不要です。

これは、医師や歯科医師、薬剤師などが業務上作成する受取書は「営業に関しない受取書」として非課税扱いとなるためです。

自由診療やサプリメント販売の領収書も同様に印紙は不要です。

一方で、医療機器の保守契約書や不動産売買契約書など、医療行為以外の契約書については印紙税が必要な場合があります。

また、営利法人(株式会社や有限会社など)が運営する薬局の領収書は、5万円以上の場合に印紙税が課税されます。

個人経営の薬局や医療法人が発行する領収書は非課税ですが、法人経営の薬局の場合は注意が必要です。

参考:国税庁

医療法人の領収書の書き方は?

医療法人が発行する領収書には、以下の内容を正確に記載する必要があります。

  • タイトル(「領収書」など)
  • 発行日
  • 金額
  • 支払目的(但し書き)
  • 宛名
  • 発行者名(医療法人名・代表者名)

医療法人が発行する領収書は、金額や診療内容(保険診療・自由診療)に関わらず印紙税は不要です。

ただし、インボイス制度の導入により、消費税法上の要件も満たす必要があるため、登録番号や消費税額の明記なども求められる場合があります。

印紙税非課税団体の一覧は?

印紙税法では、医療法人、社会福祉法人、学校法人、独立行政法人など、公益性の高い法人は印紙税非課税団体として指定されています。

これらの法人が発行する領収書や契約書の多くは、印紙税が課されません。

ただし、非課税団体であっても、医療行為以外の契約(不動産売買契約や保守契約など)には印紙税が課される場合があるため、契約内容ごとに課税・非課税の判断が必要です。

医療法人や公益法人が印紙税非課税団体であることは、税務調査時にも重要なポイントとなります。

自院が非課税団体に該当するか、最新のリストで確認しておくと安心です。

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